2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

三千年を解くすべをもたない者は 闇のなか、未熟なままに その日その日を生きる。

人生は悲劇的でおごそかなものさ。 ぼくたちはこのすばらしい世界に招かれ、出会い、自己紹介しあい、少しのあいだいっしょに歩く。 そうしてたがいを見失い、どうやってここに来たのか、そのわけもわからないうちに突然いなくなる。

そう、すべての花も木も、人間も動物も、みんな不完全なのだ。 周りに見えているものはなにもかも、あまりにもきれいすぎる。あまりにも生き生きとしている。目をこすりたくなるほどだ。でも、私が見ている何一つ、永遠には持ちこたえはしない。それでも百年…

耳の穴に舌を差し込むと、微かに苦い味がした。 無精髭で首を攻められて、恥ずかしいほど我を失う。 痛まない胸、ときめかない心。 さほど開かない身体。 色欲に流されたのか、何かを演じたのか。 忘れられない表情。 相手が何を思っていようが、そんなのど…

すこしだけ ふれるだけ 宝物 のような物 好みのボーイ 彼の物 ひとつだけ たぶん それ ひとつだけ 誘われて 目をとじて 暗闇で 恋をして この胸を ふさぐのは ひとつだけ たぶん それ ひとつだけ うす目でキス かた目でキス すこしだけ あけてもう一度キス …

絶望するな。では、失敬

二十歳 青春というのは、幻滅の甘やかさを知るために準備されたひとつの暗い橋なのだ。 二十一歳 「ぼくは手で、自分をつかんでみる。 過ぎたむかしのほうから、くらべもののない静寂が立ちのぼる」

未だに時々夢に見る。 養父に抱かれている。 挿入には至らないが、いやらしいことをしている。 合意の上で。 どうしてセックスをしないのかは、わからない。 養父と離れて9年。 2年前に死んだ。 それでもこうして、私の中に留まり続けている。 ずっと残る。 …

荒野、吹きすさぶ風

ある個人のテキストサイトがある。私は中学生の頃からそのサイトを閲覧している。生き方に対して、とても辛辣な姿勢を取る人だという印象を持っている。自分にとって、極めて読み応えのあるテキストを書く人だった。6年。その間私も幾分かは成長したと自負す…

For what I then saw, I have no words; I can but dream of the still loveliness. そのとき私の見た眺めは、まったくことばでは表せない。私はただその静かな美しさを夢に描くことができるのみである。

あぁ 戻れない記憶の裏側をみつけた。みつけた! 36度7分の微熱なら いいでしょ ねぇいいでしょう 光と影のおりなす世界にこだまする 「愛でしょ。」

不思議だよ。 参考書の問題文にすら、親しみを覚える。 自分に話しかけられているような親しみを。 あの頃は、無味乾燥にしか思えなかったのにな。

私が持ってるこだわりなんかどうでもいい。 どうでもよくなった。

ひとりでいたい。孤独ではいられない。 疲労しきらずに床に着いてしまう夜には、どうしても人の声が聴きたくなる。 真夜中の高速道路を走る車。自分の存在は受け入れられ、かつ放っておいてもらえる。そこでは話すべきことを見つける必要も自分を飾り立てて…

流れてゆく視線を、追いかけてつっと捕らえる。 瞳の奥にある気持ちに目をこらす。 どちらからともなく外されるまでのほんの短い時間、 そこに意味が生まれる。 それが会話。

美味しいものを食べると、まずいものを食べたくなくなる。 いい音楽を聴くと、街に溢れるノイズを耳に入れたくなくなる。 頭のいい人と話すと、バカとは口が聞きたくなくなる。 いい文章を読むと、世にある本のどれだけ多くが読むに値しないものであるかわか…

やさしいことを本人がしたとして、 それをされた側が、「あ、いま、やさしくされた」と感じなければ、 そこに「やさしさ」は発生しない。 これが、当たり前のことのようで、すごく大変なことなんじゃないかと最近よく思う。 例えば親、限りなく自分に近い肉…

人は、どんなに多く人と付き合っても、結局は自分の内面を満たしてくれる「アイデンティティ(本来的自己)」を確認するまでは精神的な安定は得られない。 個人のアイデンティティとは、なにもその個人が自律的に獲得するものではなく、他者を介して、他者の…

人を笑わせられる これに勝る甲斐性は、果たしてあるのだろうか。

「それはそれまでの付き合いなんだよ」 「僕は結婚したいと思えない人とは付き合わない」 「付き合うって、そういう覚悟のものじゃないの?」 きみは賢いひとだ。

0時過ぎ。 信号待ちの国道。 闇の中、ふと見遣った電柱には、無数の鳥が停まっていた。 電線にごてごてと黒いものがうごめく。 その気になれば、ここから鳥を毟り取れるんじゃないか。 私の手は本当はそのくらい伸びるんじゃないか。 ぼたぼたと鳥が地面に落…

煙草は不思議だと思う。 好きなひとが吸うと、その煙の匂いは恋しいものに変わる。

「ねぇ、その人のどこが好きなの?」 「名前」

名前に「くん」を付けて呼ぶのがとても好きだ。 その人に適切な距離で触れられる気がするから。 口にしたときに、その人自身をくるりと包み込めたような、 とてもやわらかい気持ちになれる気がするから。

仕事から帰宅した母。 開口一番「洗濯物入れてよ」 一瞬はらわたが煮えくり返りそうになる。 「ただいまくらい言えば?」 とても返せはしない言葉、階段を踏む足音が大きくなる。 家族は、始めから家族なのでなはい。 長い年月を共に暮らし、家族になってい…

信仰の意味が少しわかった気がする。 「あの人ならどうするだろうか」 私のちいさな世界の説明は、私がつけていい。

「無理して喋らんでもええよ」 電話じゃ言ってやれない。

作られたものに対して誠実でいたいなら、軽々しく言葉にしないこと。 理由を探さないこと。 他人の評価を自分の物差しとごっちゃにしないこと。 わかった気にならないこと。 人に対して誠実でいたいなら、言葉にするのを怖れないこと。 思った以上に言えない…

私は毎日、生活している人たちを見ている。 至近距離で見つめながら、「死ねばいいのに」と思っている。 「この人たちは、なぜ生きてるんだろう?」と疑問に感じている、そのときの自分の心の様は、あまりに質朴なんだよ。

小さい頃、眠りに落ちる間際、よく愉しんだ。 波にたゆたうような ブランコに揺られているような あの感覚をまた取り戻したい。