そう、すべての花も木も、人間も動物も、みんな不完全なのだ。
 周りに見えているものはなにもかも、あまりにもきれいすぎる。あまりにも生き生きとしている。目をこすりたくなるほどだ。でも、私が見ている何一つ、永遠には持ちこたえはしない。それでも百年たってもここには同じような花が咲いて、同じような生き物がいる。
 一匹一匹の生き物は、それから一輪一輪の花は、消えて、忘れ去られてしまうけど、すべてがどんなふうだったかは何かが憶えていてくれる。