0時過ぎ。
信号待ちの国道。
闇の中、ふと見遣った電柱には、無数の鳥が停まっていた。
電線にごてごてと黒いものがうごめく。
その気になれば、ここから鳥を毟り取れるんじゃないか。
私の手は本当はそのくらい伸びるんじゃないか。
ぼたぼたと鳥が地面に落ちる。
背筋がぞっとした。