ひとりでいたい。孤独ではいられない。


疲労しきらずに床に着いてしまう夜には、どうしても人の声が聴きたくなる。


真夜中の高速道路を走る車。自分の存在は受け入れられ、かつ放っておいてもらえる。そこでは話すべきことを見つける必要も自分を飾り立てて説明する必要もない。話は勝手にされている。誰にも関係がない。話している本人たちにとっても、さほど意味を持たない。ただ、その時間のためだけに、声が、断続的に発せられていく。空間に溶け込んでいくその声を、聞くともなく聞きながら、まどろんでいる。私は安心していればよかった。今ここに流れているこの時間は円環の中にあって、未来も過去も存在しない気がした。車は目的地に向かっているし、窓の外の世界は朝陽を待っているのに、今だけがずっとずっと続くんじゃないか、そんな気がしていた。


こういう声がずっと聴きたかった。
この感覚にはなかなかなれないんだよ。
誰かと一緒にいながら、ひとりでもあり、決して孤独ではない。



今日の一曲「WORLD'S END SUPERNOVA」くるり