2006-01-01から1年間の記事一覧

世界が私を愛してくれるので (むごい仕方でまた時に やさしい仕方で) 私はいつまでも独りでいられる 私に初めてひとりのひとが与えられた時にも 私はただ世界の物音ばかりを聴いていた 私には単純な悲しみと喜びだけが明らかだ 私はいつも世界のものだから…

谷川俊太郎を読む。 僕等が浪費するのは僕等が過剰なものをもっているからではなくて、むしろ僕等は浪費することで不足しているものを手に入れようとしている。 ところがふと突然全くいわれのない或る唐突な感情、それは一種の後ろめたさでもあり、また劣等…

9月4日。 初めてレコードを買った日。 レコードプレーヤーもないのに、なんだかとっても幸せな気持ちがする。 早く聴きたいな。 今日の一曲「バンドをやっている友だち」ゆらゆら帝国

2本の傘。 広げる間もなく、差し出し寄り添ってくれる。 優しくせずにはいられないなら悲しい。 「最後くらい、俺が」 送ってくれるというのを頑に断わった。 (こんな日に真っ直ぐ家には帰れないよ) 手にしている切符が、いつもと違うことに気付く。 ああ…

「なんで付き合うことにこだわるの?」 「この人部屋でどんな顔してんのかな」 「化粧するときどんな顔してんのかな」 「そういうの知りたいと思うんだよね」 恋をした友人の言葉にはっとする。 好きってなに。 その人を知りたいってなに。 好きなひとの前で…

おまえが泣いているときおまえの好きなひとは笑っている。 おまえが笑っているときおまえの好きなひとは泣いている。 私は他人との関わりの中で泣くことがほとんどない。 誰かの言動に傷ついて泣くとか 誰かを想って泣くとか そういうことがほとんどない。 …

雷鳴。 やまない雨。 次の日の夕方、いつもの通りに虹が。 こんなとき、決まって首にはカメラがないんだ。 「よし、もう絶対、これからはどんなときも手放さない」 何度も決意するのに、やっぱりまた同じように悔やむ。 携帯電話で写真を撮ってみる。 虹は淡…

何者にもなれないのだと 何事をも果たせないのだと 悟らせてくれる本をください。

眠る間際ふと まだ恋人同士ではなかった頃の彼らを思い出す。 はは、なんて無邪気に笑うんだ、彼女。 話に夢中でまるで遠足にはしゃぐ子どもみたいだね。 それを横で見守る彼。 その相槌はとても優しい。 見なくたって、どんな表情をしているか分かってしま…

きっといつまで経っても慣れない。 きみに会えない日常と会える非日常。

自由とは制限されている中でしか見つからないものだ 誰かが言っていたそんなことを、身をもって感じている。 眼球が半透明の薄い膜でてろんとくるまれてしまったかのように、 目に映るもの全てがくすんで見える。 友人の助言が、耳にこびりついて離れないの…

実際、やりたいと思っていることなど何もなかった。もっと言えば、何もやらなくてもいいように、必死に何かをやろうとしていた。真っ白な絵を描きたいのに、二十四色のクレヨンを無理に持たされているようだった。

自己顕示欲。 だから気持ち悪い。

建築は、凍結した音楽である

想像通りにならないって事は初めにだいたいわかってました それでもふえてく綺麗なお花 少しはあなたに見てほしかった 正真正銘一生懸命やってる私を見てほしかった ますますますますマスターベーションやってる私を見てほしかった

二人の心、二人の体が互いに出会う中で、相互に相手を見いだすために、自分自身を見失う能力。

意志が動揺せずに強力にはたらき、種々雑多な傾向で消耗されないとき、はじめて奇蹟を完成することができる。 自らに襲いかかってくる環境に対してどのような態度を取るのか。そこには刻一刻の意思の決定がある。 ロダンによるバルザック像

スタイルを他との比較を通じて後から定義されるものとしてでなく、作動している働きとして感じたとき、私たちはそこに「表現」を見いだす。 功利主義的な観点から見ればマイナスにしか映らない行動スタイルを、トータルな人間存在の観点から捉え直すことによ…

「自分がただ見ているにすぎないその行為を、言わば離れたところから生き、それを私の行為とし、それを自分で行い、また理解する。」

相槌にさえも、嘘を交えない。 ストレートに内心を滲ませる。 たじろいでいることを自覚する。 互いが相手を映す鏡ならば? 思いやりなんてきれいなものじゃなくて、 自分が相手だと思ってみる。 自分を見るんじゃなくて相手を見る。 そして相手に映っている…

今まで見た人の中で、二番目に冷たい眼をしている。 今まで見た人の中で、一番優しい顔で笑う。

私がしてきたことは、私の心をつくっている。そうしてできた心は、とてもきれいではない。それを元に戻すことはできない。 愚かなことをしてきた報いを受けている。過去にはどうやっても目を背けることができない染みが広がっている。

意見を持つのはきわめて容易。わけても大切なことはその意見の基礎に具体的な知識と情報、そして直接の体験があるかどうか。

自分自身について、あるいは自分が欲すること、必要とすること、失望していることについて考えるのはなるべくしないこと。自分についてはまったく、または少なくとももてる時間の半分は考えないこと。

「そうじゃない。我々はたんなる動物ではない。水の配給やパンを求めて長い列に並び、銃撃され、地下に隠れ、殺され……それだけじゃないんだ。ここにも何らかの芸術活動があるべきだ、それが自分たちの尊厳を支えてくれる。とたえ朝十一時という異常な上映時…

自分には、他人の目を一切取っ払ってもしたいこと、というものがないのかもしれない。 自分が本当にそれをしたくてしているのか、している自分が好きで誰かに見せたいからしているのか。 あの時手を動かしていた自分に、今もなお執着しているのは、 その時だ…

三千年を解くすべをもたない者は 闇のなか、未熟なままに その日その日を生きる。

人生は悲劇的でおごそかなものさ。 ぼくたちはこのすばらしい世界に招かれ、出会い、自己紹介しあい、少しのあいだいっしょに歩く。 そうしてたがいを見失い、どうやってここに来たのか、そのわけもわからないうちに突然いなくなる。

そう、すべての花も木も、人間も動物も、みんな不完全なのだ。 周りに見えているものはなにもかも、あまりにもきれいすぎる。あまりにも生き生きとしている。目をこすりたくなるほどだ。でも、私が見ている何一つ、永遠には持ちこたえはしない。それでも百年…

耳の穴に舌を差し込むと、微かに苦い味がした。 無精髭で首を攻められて、恥ずかしいほど我を失う。 痛まない胸、ときめかない心。 さほど開かない身体。 色欲に流されたのか、何かを演じたのか。 忘れられない表情。 相手が何を思っていようが、そんなのど…