おまえが泣いているときおまえの好きなひとは笑っている。
おまえが笑っているときおまえの好きなひとは泣いている。


私は他人との関わりの中で泣くことがほとんどない。
誰かの言動に傷ついて泣くとか
誰かを想って泣くとか
そういうことがほとんどない。
母親を除いては。
謙遜ではなく、あまり優しい心の持ち主ではないと思う。
周りのひとの様子を見知って、相対的に、そう思うのだ。
だからその分、人の痛みや悲しみもあまりわかれないと思う。
「共感が何を救うというのか」
未だ自分の根底にはこの気持ちがある。
こんなふうだから、不用意な言動で、周りの人を傷付ける。
そして今「傷付ける」と自覚するうん倍、実際には傷付けている。


泣いている。
嗚咽を促すと、胸の奥底が連動して涙は溢れ出る。
声などあげてみれば、締め付けは加速する。
でも、ある時点で気付く。
物事が悲しくて泣いているのではない。
それは、自分が可哀想で泣いているんだろう。
それは、泣きたいから泣いているんだろう。


傷付けられたなんて思うなよ。
なあ、自分が可哀想だなんて思うなよ。
今自分が悲しんでいるのと同じ悲しみを、
おまえは人に与えてきたんだよ。




泣くのをやめて、何をすればいいか考える。