谷川俊太郎を読む。


僕等が浪費するのは僕等が過剰なものをもっているからではなくて、むしろ僕等は浪費することで不足しているものを手に入れようとしている。


ところがふと突然全くいわれのない或る唐突な感情、それは一種の後ろめたさでもあり、また劣等感でもあり、鋭いさびしさのようなものでもありましたが、そういう感情に僕は襲われた。僕はその時、自分がひとりであるのに気づいたのです。


もし彼等が、自分たちの苦しい生活の現実しか見ないのなら、彼等には青春はないのです。その代わり、もしその若者たちが、生活の現実に耐えながら、なお夢見る勇気を捨てないなら、青春は貧しさや苦しみに関係なく、彼等のものだとぼくは思います。


音楽は、若者たちを夢見させます。


音楽以外の何ものにもむすびつかず、純粋に音楽だけで自立している音楽などというものが、果たして私たちの心の中にあるであろうか。
ひとつの音楽に感動する時、私たちは多かれ少なかれ、その音楽のリズムで、世界をとらえているのだ。


26歳。