未来が決まっているような気のする心地よさを、私は寝起きの頭の中で味わっていた。その感触は、掛けぶとんのようにこれからも私を温めてくれるだろう。
自分に満足してしまうことは、自分に負けることだと思っていた。そしてその時の気分で今を塗り重ね、傷つけては、けっきょく見定めのつかない自分の将来がいつも霧の中にうもれているのを、さもしいような気持ちでにらみつけていた。


自分より長く生きているひとの言う、本当のこと。
だけど、いくら本に会話にとそれを求めても、知った気になるだけで、それは自分のものじゃない。
私は、これから苦しんで、自分で自分にとっての本当のことをみつけていかなくちゃいけない。