会えたらいいなと密かに願い続けていた高校生の男の子と話した。


彼は、私たちの高校時代を想像するとすごい人たちだったような気がすると真面目な顔で言うので、私はひどく驚いた。「それは買い被りすぎだよ。なにか勘違いしてる」笑いながら、でもはっきりと伝えたくてそう言った。謙遜に聞こえては困る。


私は、ただ単にみっつ歳を取っているだけだった。
そして彼は私のことを知らない。


今18歳のきみと、3年前18歳だった私が、もしも同じ教室にいたら、私はきっときみのことを羨望と嫉妬の眼差しで見つめただろう。
声も掛けられないかもしれない。


詰め襟の細い首と肩には、未来がいっぱい詰まっているように見えた。
もし縁があればまた会えるだろう。