国立博物館で開催中の京焼展を観に行く。
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  • 伝統を踏襲しながらも、その中に現代的とも見える斬新な意匠を試みている。明らかに遊び心を感じる。きっと楽しかったんだろうなと思う。良いと思うものに決まって共通していると考えるもの、それはユーモアや遊び心と、異なる領域への横断があること。陶器なんて生真面目そうなものにもそれを発見できうれしくなる。
  • 既存のものに新しいものを取り入れ革新する、それが弁証法的に発展していけばいいけれど、時代に翻弄されればやがて廃れて見向きもされなくなる。伝統文化が、それとして価値を持っているのは現代から見ているから。そんな当たり前のことを初めてはっきり認識して、少しショックを受ける。時代の流れに垂直に屹立しているのではない。揺るがないのではない。各時代に降り立ちて追えば、そこで起こっていることは現代の対消費者ありきで作られる様々な商品の抱える矛盾と、なんら変わりはないではないか。使われなければ作る価値はない。使われるための、それは流行への迎合という一種の媚び。
  • 巧いだけじゃつまらない。綺麗なだけじゃ飽きる。熟視するに耐える美しさとは何なのか、いつもわからない。目を引き寄せて離さない吸引力は、何をどうすれば生まれるのか。あるものとないものの違いはなんなのか。
  • 霧が立ちこめるくらいなら、想像力なんかいらないなあ。